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地域メッシュはホントに「ほぼ同一の大きさ」なのかを調べました

2016/2/1 (月)

先日、社内で地域メッシュ(標準地域メッシュ)の説明について話題になったことを。

総務省統計局のウェブサイトでは地域メッシュを利用する利点として以下のように説明されています。

地域メッシュは、ほぼ同一の大きさ及び形状の区画を単位として区分されているので、地域メッシュ相互間の事象の計量的比較が容易です。

この「ほぼ同一の大きさおよび形状の区画」という説明が引っかかりました。メッシュの格子は経緯度を元にしているので、大きさが同じなのは同一の緯度のみとなり、南北でも隣接するメッシュなら類似してると言えますが、南北離れると面積に差がでるはずです。

誤解を生む要因として、GIS の世界でよく見る日本地図がこれだからではないでしょうか。

一次メッシュ(地理座標系)

地理座標系を平面に表示するとメッシュの面積は同じように思えますね。また、最近流行のメルカトル図法だと逆に北の方が大きくなってます。

一次メッシュ(メルカトル図法)

では実際はどうなんだということで測ってみました。今回はランベルト正積方位図法という面積が正しく測定できる投影法を使用しました。投影法の中心は北緯36度東経136度です。

一次メッシュ(ランベルト正積方位図法)

結果はこちらです。

図郭名 メッシュ番号 面積
稚内 6841 5774㎢
東京 5339 6697㎢
沖ノ鳥島 3036 7707㎢

日本の南北端で面積は 25% 異なります。稚内-東京、東京-沖ノ鳥島でも13~14% 程度差があります。

これだと「ほぼ同一の大きさ」とは言えないですね。

おそらく統計局の資料が出典と思われますが、同じ記述が他の官公庁サイトにも多く掲載されています。

あくまで「メッシュがほぼ同一の大きさ」なのはミクロな範囲であることに注意が必要です。また、説明を引用する際にも内容をよく理解して使わないと、誤解を受けるだけではなく誤解を与える側にもなってしまいます。

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