この操作でよくあるトラブルが「平面直角座標系で XY フィールドを指定したのに想定した場所にポイントが表示されない」です。
たとえば、東京タワーの経緯度を国土地理院のサービスで平面直角座標系に換算すると以下の座標が求められます。
東京タワー(十進経緯度、世界測地系) 緯度:35.658580000 経度:139.745433000 平面直角座標系 第9系 X座標:-37875.196m Y座標:-7958.644m
求められた座標を XY 座標をそのまま ArcGIS の XY フィールドに当てはめると誤った位置に表示されます。
ArcGIS の座標軸は、数学で学んだ一般的な直交座標系と同じで、横(東西)がX軸、縦(南北)がY軸です。しかし、平面直角座標系では座標軸は異なります。平面直角座標系(平成十四年国土交通省告示第九号)の備考に以下が記述されています。
座標系のX軸は、座標系原点において子午線に一致する軸とし、真北に向う値を正とし、座標系のY軸は、座標系原点において座標系のX軸に直交する軸とし、真東に向う値を正とする。
つまり、平面直角座標系のXY座標は普段使う XY 軸と逆になるので、ArcGIS で [X フィールド] に "Y"、[Y フィールド] に "X" の値を持つフィールドを設定しなければ正しく地図上にポイントが表示されません。
XY を逆にして表示すると正しい位置にポイントが示されました。
今日の格言:平面直角座標系はXYが逆
ただし、平面直角座標系は南北方向が X 軸であることを知らない場合や、あえて知らない人のために機転を利かせた場合は、数学の XY 軸と同じ座標軸で平面直角座標系のデータを提供している場合があります。データの仕様をきちんと明記されていない場合はトライ&エラーで確かてみてください。
同じような状況が観光バスでも起こりえます。進行方向を向いて右にあるものが何かバスガイドに聞きたい場合、自分本位で「右手にあるあれは何ですか?」と聞くか、バスガイドのことを考えて「左手にあるあれは何ですか?」と聞くか、そこら辺を察してあえて「右手にあるあれは何ですか?」と聞くか。「ガイドさんから見て左手」とかの説明があれば誤解がないですよね。