地図でよく使われる座標として緯度経度があります。たとえば日本経緯度原点はこのような緯度経度になります。
東経139度44分28.8869秒 北緯35度39分29.1572秒(日本測地系2011)
地理座標は「度(°)」「分(′)」「秒(″)」で表されますが、1度は60分で1分は60秒となり、「度」は十進数で「分」と「秒」は六十進数です。このような異なる位取り記数法をコンピュータで計算するのは困難です。そのため GIS の世界では一般的に「分」と「秒」を「度」に換算した「十進度(十進経緯度)」を用います。
ここでは、度分秒と十進度を相互に換算する計算方法を紹介します。
計算フォーム
数値を入力して計算できるフォームです。取り急ぎ数値を確認したい場合に利用してください。南緯・西経は結果にマイナス (-) を掛けてください。
度分秒から十進度への換算
60秒 = 1分、60分 = 1度なので、それぞれ割った値を加算して計算します。
十進度 = 度 + (分 ÷ 60) + (秒 ÷ 3600)
度は東経や北緯で正の値、西経や南緯で負の値を使用して計算します。
この計算式で日本経緯度原点の十進度を求めると以下になります。
X:139.7413574722,Y:35.6580992222
Excel 関数
度分秒がセルで分かれている場合
A1セル:度 B1セル:分 C1セル:秒 の場合
十進度 = A1+B1/60+C1/3600
緯度と経度を別々の方法で計算する場合
分と秒が0で桁埋めされ、秒の桁数がそろっていることが前提。
A1セル:135度22分44.00秒(経度)の場合
十進度 = LEFT(A1,3) + (MID(A1,5,2)/60) + (MID(A1,8,5)/3600)
緯度と経度を 1つの式で計算する場合
分と秒が0で桁埋めされ、秒の桁数がそろっていることが前提。
A1セル:135度22分44.00秒(経度)、もしくは 35度22分44.00秒(緯度)の緯度と経度両方を1つの式で処理する場合(秒の桁数がそろっていることが前提)
十進度 = MID(A1,1,LEN(A1)-10) + (MID(A1,LEN(A1)-8,2)/60) + (MID(A1,LEN(A1)-5,5)/3600)
十進度から度分秒への換算
「度」は整数部分、「分」は小数点以下と 60 の積の整数部分、「秒」は分の小数点以下と 60 の積となります。
度 = (十進度) の整数
分 = ((十進度 - 度) × 60) の整数
秒 = ((十進度- 度) × 60 - 分) × 60
Python
def GetDMS(DecimalDegree):
degree = int(DecimalDegree)
minute = int((DecimalDegree - degree) * 60)
second = ((DecimalDegree - degree) * 60 - minute) * 60
return str(degree) + "度" + str(minute) + "分" + str(second) + "秒"
print GetDMS(135.5902778)
ArcObjects
ArcObjects を使えばもっと簡単で、ILatLonFormat::GetDMS メソッドで一発取得できます。
Private Function DD2DMS(ByRef DecimalDegree As Double, ByRef Degree As Long, ByRef Minute As Long, ByRef Second As Double, Optional Reverce As Boolean = False)
'十進度から度分秒に換算
If Reverce = False Then
Dim pLatLonFormat As ILatLonFormat
Set pLatLonFormat = New LatLonFormat
pLatLonFormat.GetDMS DecimalDegree, Degree, Minute, Second
'度分秒から十進度に換算
Else
DecimalDegree = Degree + Minute / 60 + Second / 3600
End If
End Function
Sub GetDMS()
Dim pLatLonFormat As ILatLonFormat
Set pLatLonFormat = New LatLonFormat
Dim dms As Double
dms = 45.0000000001
Dim dd As Long
Dim mm As Long
Dim ss As Double
Call pLatLonFormat.GetDMS(dms, dd, mm, ss)
Debug.Print dd, mm, ss
End Sub
Excel 関数
A1セル:十進度の場合
度分秒 = INT(A1)&"度"&TEXT(INT((A1-INT(A1))60),"00")&"分"&TEXT(((A1 -INT(A1)) * 60 -INT((A1-INT(A1))60)) * 60,"00.000")&"秒"
ユーザー定義の表示形式を使う方法もあります。
A1セル:十進度の場合
度分秒 = A1/24 と計算し、[セルの書式設定] から、[表示形式] → [ユーザー定義] とし、「[h]"度"mm"分"ss"秒"」と入力
ダウンロード
上記の Excel 関数を記述したスプレッド シートです。