「日本全国を表示するのに最適な投影法は何ですか?」
よくある質問です。最近は回答として次の正積図法とパラメーターを使っています。
日本の GIS講習で最初に習う具体的な座標系は地理座標系、UTM座標系、平面直角座標系ぐらいで、投影座標系は割と狭い範囲に適用できるものしか教えられません。世界地図ならメルカトル図法とか学校で習ったものを思い浮かべるでしょうが、日本全国のように小縮尺だけど割と広い範囲を表現する最適な地図投影法とそのパラメーターを知る機会はあまりありません。地図帳に示されている地図投影法をヒントにすることもできますが、パラメーターまでは分かりませんので、国土地理院で使われている値を示しておきます。
より最適な地図投影法とパラメータをご存じな方はご連絡をお待ちしております。
正積図法
全国都道府県市区町村面積調事業で使用されているものです。
- 地図投影法:アルベルス正積円錐図法 (Albers equal area conic projection)
- 中央子午線:東経135度
- 原点の緯度:北緯35度(この値は地図の形状には影響しない)
- 第1標準緯線:北緯33度
- 第2標準緯線:北緯44度
その他の投影法
国土地理院発行の「500万分の1日本とその周辺」に使われている正距方位図法があります。地図の中心(中央子午線と原点の緯度)は日本経緯度原点です。正距方位図法は形状や面積が正しくないと習いますが、中心付近の歪みは少なく形状としても適当でしょう。
- 地図投影法:正距方位図法 (Azimuthal equidistant projection)
- 中央子午線:東経139度44分28秒8869(東経139.74143256度)
- 原点の緯度:北緯35度39分29秒1572(北緯35.65802414)
以前は「300万分の1日本とその周辺」もあり、斜軸正角割円錐図法が使われていましたが、2010年12月に廃図となりました(出典)。
ダウンロード
上記 2つのパラメーターを定義した座標系ファイルです。
2020年4月22日更新
「新しい「全国都道府県市区町村別面積調」について」を参考に標準緯線を更新しました。なお、以前掲載していた標準緯線:北緯40度という値は国土地理院の面積調で使われているものと間接的に聞いたものだったのですが、より根拠がはっきり掲載された文書が見つかったので修正しました。また、他の官公地図に使われている情報も追加しました。