GIS で仕事したり学んだり研究したりしてる人は知っておくべき人物です。氏は「GISの父」と呼ばれる方で、GIS(Geographic Information System:地理情報システム)の生みの親です。世界ではじめての本格的な地理情報システムを構築し、そのプロジェクトで中心的な立場でした。GIS の歴史を学ぶと必ず出てきます。GIS という業界が存在しているのはこの方のおかげです。国内では GIS の歴史を学ぶ機会は非常に少ないですが、書籍でもいくつか紹介されています。『GIS原典―地理情報システムの原理と応用〈1〉』などが参考になります。
自分は一昨年前に、米国のサンディエゴで ESRI International User Conference に参加した際にご本人と握手して写真を撮ってもらいました。そのときはほんとに感動したのですが、今年に入って当時の資料を整理していたら「トムリンソンのサイン会、火曜日14時~ Spatial Outletにて...」というチラシが入っていたのに気づき、見つけるのが遅すぎたことにかなりショックを受けました。
今年の ESRI UC は今週行われていたのですが、それに参加するという同僚に当時果たせなかったトムリンソン氏のサインをもらってきてもらうように懇願しました。
同僚は仕事で行ってたので、ちゃんとサインをもらってきてくれるか心配してましたが、みごとトムリンソン氏の書籍をサイン入りで持って帰ってきてくれました。ついでに ESRI Tシャツも買ってきてくれました。ほんとありがとう!!!
同僚曰く、サイン会には参加できなかったけど、最後の夜のパーティーでたまたま見かけたジャックに頼んでトムリンソン氏のところまで案内してもらったんだと。なんて贅沢。
これはがんばって読まないと。
ちなみに、なぜ彼が「GIS」と命名したのかというと、トムリンソン氏が地理学の出身だったからで、氏自身が「Geography」を名前に入れたかったから、と話しています。だから「地図情報」でも「空間情報」ではなく「地理情報」なんですね。ただ、どうしても「地理」と聞くと平面的な情報のみをイメージする人が多いので、最近では「GeoSpatial(地理空間情報)」と呼ばれることが多いです。一昨年前に公布された「地理空間情報活用推進基本法」も、当初は「空間情報活用推進基本法」という名称で策定されそうになり、地理学出身のGIS研究者らが「地理」という名称を付けるようにがんばってくれたそうです。もうひとつちなみに、日本の GIS 研究の総本山は東京大学の空間情報科学研究センター(CSIS:Center for Spatial Information Science)となっています。
高等学校の「地理」は必須科目になっていないこともあり地理離れした人が多いですが、最近になってインターネットなどの「地図」はブームになっています。当たり前に使われている Google Maps や Bing Maps はメルカトル図法ですが、その特性って習いましたよね?メルカトル図法を大縮尺図に拡大して距離や面積を測定するとどうなるか。地理に対する正しい知識は必要ですね。
自分も地理学を修めた一人として、もっと世の中に GIS を広めていかないといけません。