ティソーの指示楕円とは
ティソーの指示楕円 (Tissot's indicatrix) とは地球上のある点を中心とする微小な円で、投影された地図平面上で対応する点を中心とする楕円(円になる場合もある)として表現されるものです。地図投影には必ずひずみが伴うので、各点における投影のひずみを定量的に表現し、その分布を視覚的似表現できる手段として、18881年にティソーが発表しました。指示楕円を使用することで、ある地点における投影に伴うひずみが指示楕円の大きさと形状、その長軸・短軸の横行によって表現することができます。(政春尋志著『地図投影法-地理空間情報の技法』 P143 参考)
モルワイデ図法のような正積図法では指示楕円の形状が場所によって歪むが面積は常に同じとなる。正角図法は指示楕円の長半径と短半径の距離が同じ円になる。メルカトル図法は「形が正しい」と言われますが、それは地球上に描いた小さな円(小さな円の半径は求めたい地図の精度によって異なると言うことができる)はメルカトル図法上でも円はのままとなるからです。メルカトル図法より南北の面積歪みが小さくなるミラー図法は正角ではありませんが、ティソーの指示楕円からそれがよくわかります。正積且つ正角な投影法は不可能ですが、横メルカトル図法のように表現する範囲を限定することで両立させることができます。
ダウンロード
緯度経度 30度ごとの交点から測地線距離で 500km の円バッファーを作成し、シェープファイル形式で保存したものです。マップに追加して様々な投影法で確認してみてください。
なお、厳密にはこのファイルはティソーの指示楕円にはなりませんが、世界地図のような小縮尺地図ではほぼ同じものと見なすことができるでしょう。詳しくは参考文献をご覧ください。