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ジョン・スノー縁の地を訪問

2017/3/2 (木)

1年ほど前に、John Show さんと称する人からのスパム メールが届いたことをきっかけに、世界で最初の空間解析を行ったジョン スノーのコレラマップを紹介しましたが、今年の1月にロンドンへ行った際に John Snow に縁のある場所を訪問してきました。

前回の復習ですが、ジョン・スノー(John Show)は医者で、1854年にロンドンで大流行したコレラの発生源が特定の井戸であることを患者のマッピングによって推測し、問題の井戸を閉鎖したことでコレラの流行を収束させました。このことから、世界で始めて空間分析を行った(地図を使って問題の因果関係を突き止めた)人とされています。疫学の祖とも呼ばれています。

Jown Snow の肖像

当時、コレラは悪臭が原因で空気感染すると信じられており、井戸水との因果関係は考えられていなかったのですが、スノーの分析によって井戸に「何かしらの」原因があるということまで突き止めることができ、問題を収束させることができました。コレラ菌が発見されたのはその 30年後になります。

現在、コレラ大流行の原因となった井戸の近くに John Snow の名を冠したパブ(イギリスではバーのことをパブと呼ぶ)があります。初日の仕事が終わってから同行者と夕食を食べるのに、「せっかく GIS 関連の仕事に来たんだからゆかりのある所で食事をしましょう!」と説得し、John Snow Pub へ向かうことに。場所はロンドンの Soho 地区になります。

John Snow Pub

コレラマップ(Wikipedia より引用)

バーのすぐ近くにポンプの跡があると聞いてたけど、現地に行ってもどこにも見つからない。パブの人に聞いたら、建物工事で撤去されたとのこと。

マイガッ!!(かわぐちかいじ風)

「工事が終わったらまた設置されるかもしれないね。」とのことでした。

パブからポンプがあった場所を望む(建物工事中)

ポンプのモニュメントが見られなかったのは非常に残念です。。。

とりあえず、パブの前で記念写真を撮ってもらい、ポンプがあった場所も写真に撮ってフィッシュアンドチップスを堪能しました。ホントにポテトとタラのフライにビネガーをかけて塩かケチャップで味を付けるだけなんですね。

フィッシュアンドチップス これだけで 12ポンド(約1700円)

店内は Jown Snow の業績をたたえる写真や説明、絵画などが展示されてましたが、店内の客はどれくらいの人が知ってるんだろうか、、、この人を目指して来た客は自分ぐらいな気がします。

ということで、地理的ものの見方、考え方の元祖を実感されたい方はぜひ John Snow Pub までビールを呑みに行ってください。あと1, 2年くらいでポンプも復活してるはずです。

前回記事に書いたグリニッジ天文台訪問、今回の John Snow Pub 訪問以外にもいくつかネタがあるんだけど、それは次回の更新で。

さいごに、ブログの更新が 1ヶ月止まったままでしたが、今日(というか今)、GISもくもく会というイベント参加に参加して黙々とこの記事を書いてみました。周りの人はみんな GIS ソフトで作業したりマッピングしたりとやってる中、思い出の記事を書いてていいのかとも思いましたが、マイ マップ作ったからまぁいいか。コレラマップをジオリファレンスぐらいするべきでしたね。

GISもくもく会の成果発表

2024年12月14追記

ポンプのモニュメントは訪問した翌年の2018年にジョン・スノー・パブの眼の前に移築されたようです。こちらの場所の方が実際のポンプ場所に近いようです。2020年のコロナ禍の影響で、コレラの空間分析はだいぶ有名になりました。ロンドンに再訪した際はまた行ってみたいです。

  • この記事を書いた人

羽田 康祐

伊達と酔狂のGISエンジニア。GIS上級技術者、Esri認定インストラクター、CompTIA CTT+ Classroom Trainer、潜水士、PADIダイブマスター、四アマ。WordPress は 2.1 からのユーザーで歴だけは長い。 代表著書『"地図リテラシー入門―地図の正しい読み方・描き方がわかる』 GIS を使った自己紹介はこちら。ESRIジャパン(株)所属、元青山学院大学非常勤講師を兼務。日本地図学会第31期常任委員。発言は個人の見解です。

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