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さまざまな地図投影法が確認できるWebアプリ

2021/5/5 (水)

さまざまな地図投影法が確認できる Webアプリです。地図学の学習に利用してください。

新しいタブで開く ※スマートフォンでは [高度な設定] は使用できません。

使い方

  • 左上のドロップダウン リストから地図投影法を選択してください
  • マウスホイール、もしくは左上の [+] {-] ボタンで拡大・縮小ができます
  • マウスの右ボタンでドラッグすると地図が回転できます(右上の [コンパス方位のリセット] ボタンで北が上になります)
  • マウスのドラッグで移動ができます
  • 左上の [ホーム] ボタンを押すと初期位置に戻ります
  • [高度な設定] を展開
    • [ファイルを選択] から「座標系ファイル(*.prj) 」を読み込むと任意の地図投影ができます
    • 読み込んだ PRJ ファイルの内容が Well-Known Text で確認できます
    • テキストを書き換えて [適用] ボタンを押すと設定内容が反映されます
  • 右上の [最大化] ボタンを押すと全画面に地図が表示されます
  • 右上の [設定] ボタンをクリックすると、地図の配色が変更できます
    • [日本とその周辺] を選択すると、日本付近のみの地図が表示されます
  • 左上の [座標の表示] ツールをクリックして地図上にマウスカーソルを置くと、その場所の座標が取得できます。左下の [座標変換ウィジェット] に結果が表示されます
  • 左上の [距離計測ツール] や [面積計測ツール] をクリックし、画面上をクリックしていくとそれぞれの地図投影法での大圏航路(厳密には測地線)や面積が測定できます。左下の [計測ウィジェット] に結果が表示されます。
  • 左上の [計測のクリア] で結果がクリアされます。

たとえば正射図法で陸半球と水半球を表示するための設定ファイルを読み込むとこのようになります。

正射図法(陸半球)
正射図法(水半球)

座標系ファイル (*.prj)

「座標系ファイル(*.prj) 」は OGC の Well-Known Text 形式ので記述された座標参照系です。ArcGIS がシェープファイルの座標系を認識するためにも利用されています。座標系ファイルをカスタマイズすることで、ArcGIS が認識できる地図投影法や、投影法のパラメーターを任意に変更することができます。

ドロップダウン リストにはない任意の地図投影法や投影法のパラメーターを変更して表示できます。サンプル ファイルを参考にしてしてください。

本アプリで認識できる座標系ファイルは、Esri の ArcGIS で対応するのもに限られます。本アプリは ArcGIS API for JavaScript 4.1.6 で対応する投影法がサポートされています。また、地理座標系を設定すると正方形図法と同等の表現になります。

Well-Known Text

座標系ファイル(*.prj) の中はこのようなテキストが記述されています(実際は空白や改行がありません)。地図投影法は「投影座標系」 というものに含まれていています。文字列の後ろの値を変えることでさまざな表現に変更できます。

リストにあるほとんどの地図投影法では日本が歪みます。それは中央子午線が本初子午線(経度0度)で日本から遠く離れているためです。日本の形を最適化するには、中央子午線や標準緯線などを日本付近に設定する必要があります。

  • PROJECTION:地図投影法の名称、サポートされている投影法のみ使用できる
  • PARAMETER:投影法に適用するパラメーター。パラメーターの種類と数は投影法によって異なる。
    • Central_Meridian:中央子午線(地図の中心に表示する経度)
    • Standard_Parallel_1:標準緯線(地球と投影面が接する緯度)
    • Standard_Parallel_2:標準緯線(地球と投影面が接する緯度、円錐図法の場合は 2つ指定する)
    • Latitude_Of_Origin:原点の緯度(地図の形には影響しないものもある)
    • False_Easting:東距[とうきょ](原点の座標を便宜的にシフトするための移動量)
    • False_Northing:北距[ほっきょ](原点の座標を便宜的にシフトするための移動量)
GEOGCS[
  "GCS_WGS_1984",
  DATUM[
    "D_WGS_1984",
    SPHEROID[
      "WGS_1984",
      6378137.0,
      298.257223563
    ]
  ],
  PRIMEM[
    "Greenwich",0.0
  ],
  UNIT[
    "Degree",0.0174532925199433
  ],
  AUTHORITY[
    "EPSG",4326
  ]
]
PROJCS[
  "AzimuthalEquidistant_Toklyo",
  GEOGCS["GCS_WGS_1984",
    DATUM["D_WGS_1984",
      SPHEROID[
        "WGS_1984",6378137.0,298.257223563
      ]
    ],
    PRIMEM[
      "Greenwich",0.0
    ],
    UNIT[
      "Degree",0.0174532925199433
    ]
  ],
  PROJECTION[
    "Azimuthal_Equidistant"
  ],
  PARAMETER[
    "False_Easting",0.0
  ],
  PARAMETER[
    "False_Northing",0.0
  ],
  PARAMETER[
    "Central_Meridian",139.766882
  ],
  PARAMETER[
    "Latitude_Of_Origin",35.6813279
  ],
  UNIT[
    "Meter",1.0
  ]
]

修正履歴

  • 2021年5月5日 v1.0.0
    • 初期リリース
  • 2021年5月6日 v1.1.0
    • Well-Know Textの直書き適用
    • 座標変換ウィジェットの追加
    • 色の変更
    • サンプルPRJファイルの充実
    • UIのモダン化(Calsite)
  • 2021年5月7日 v1.2.0
    • 線幅の変更
    • 半径1000km円の追加
    • (疑似)レイヤーの表示切り替え
  • 2021年5月8日 v1.3.0
    • 日本とその周辺のみの表示に対応
    • PRJ や WKT を読み込んでいた際はレイヤー設定できなかった問題への対処
    • リストの地図投影法を追加・整理
    • パフォーマンスの改善
  • 2021年5月9日 v1.4.0
    • 距離計測ツール、面積計測ツールの追加
    • GUIの微修正(トグルスイッチへの変更、若干のレスポンシブル対応)

構想・課題

  • ドロップダウンリストのカテゴリー整理
  • i18n(インターナショナリゼーション)
  • 印刷対応(回避方法:右クリックして画像を保存してください)
  • UI の調整(パネル化、アコーディオン化)
  • 白地図ジェネレーター(国、都道府県ポリゴン表示)※既存サイトがある
  • レスポンシブル対応
  • この記事を書いた人

羽田 康祐

伊達と酔狂のGISエンジニア。GIS上級技術者、Esri認定インストラクター、CompTIA CTT+ Classroom Trainer、潜水士、PADIダイブマスター、四アマ。WordPress は 2.1 からのユーザーで歴だけは長い。 代表著書『"地図リテラシー入門―地図の正しい読み方・描き方がわかる』 GIS を使った自己紹介はこちら。ESRIジャパン(株)所属、元青山学院大学非常勤講師を兼務。日本地図学会第31期常任委員。発言は個人の見解です。

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